まずは簡単な1話完結シナリオの作り方

シナリオ製作に苦労してませんか?私も昔は苦労しました。そこで、一流とはいかないまでもとりあえず形にはなるシナリオができるまでの手順を公開しましょう。

0.シナリオを作る前に

まずは、SRC本体をDLしましょう。SRC公式ページに行き、SRC本体というリンクをクリックして指示通りにDLしてください。次に、他のシナリオ作者のシナリオをプレイします。公式ページのシナリオコーナーにたくさんシナリオが置いてあります。自分が作りたいカテゴリーのシナリオをいくつかプレイして感覚をつかんでください。

1.ヘルプを読む

何事も基本が理解できていなければ話にならないものです。その“基本”を理解するため、ヘルプに一通り目を通しておきましょう。ヘルプを読まずにシナリオを作るという行為は、食材だけ用意して手探りで料理を作るのと同じです

2.素材を用意する

SRCに使えるデータやアイコンを入手します。公式ページの開発リンク集から素材を配布しているコーナーへ行けます。その中の開発パックに行くとSRC総合支援センター(GSC)という巨大開発パックがありますので、これをDLしておくとシナリオ作成上とりあえず困ることはないでしょう。個人で運営している素材配布サイトもあります。当HPもそのひとつです。その際は、必ず素材提供サイトの規約に従いましょう。それと、オリジナルキャラクターやユニットを使う際はオリジナルアイコンを用意する必要があります。基本的にオリジナルアイコンは自分で作るものですが、作れない場合は他の人から使用許可をもらって使ってください。

3.フォルダ構造を構築する

シナリオを作成する上で、絶対必要なのがこのフォルダ構造の構築です。下記のように構築しておきましょう。(下記のフォルダ構造は基本的な構造です)

シナリオフォルダ―――Bitmapフォルダ――Pilotフォルダ
         |          Unitフォルダ
         |          Mapフォルダ
         |          Eventフォルダ
         |          Cutinフォルダ
         |
          ―Dataフォルダ―――Systemフォルダ
                    各作品フォルダ

4.マップを書く

マップを新規に書く場合は、SRC本体に付属しているMapEdit.exeを起動させるとマップを書くためのプログラムが利用できます。マップを書くのが面倒だという場合は、他のシナリオ作者に許可をもらってすでに作ってあるマップを使うといいでしょう。どちらの場合でも、マップには必ず名前をつけて保存しておきましょう。
※無許可ではやらないほうがいいでしょう。トラブルを招く恐れがあります。作者によっては無許可でもOKという方もいます。その場合はその限りではありません。なお、当HPのシナリオのマップデータは無許可利用OKです。

5.メモ帳にシナリオの土台を書く

Windows標準装備であるメモ帳を用意しましょう。そして、下記のように書きましょう。

@作品名

プロローグ:
Exit

スタート:
Exit

エピローグ:
Exit

これだけでもシナリオとして認識しますが、これだけを実行しても一瞬にして終わってしまいます。これは重要なことですが、名前をつけて保存する際は必ず『マップと同じ名前.eve』としてください。そうでない場合、ChangeMapを実行しない限り真っ黒でユニットを置けないマップになってしまいます。

6.プロローグとそれ以前を書く

まず@作品名についてですが、これには登場させたい作品の名前(Dataフォルダ内の各作品フォルダについている名前)を@のあとに書きます。(例:@機動戦士ガンダム)ただし、Systemフォルダについては自動的に読みこまれるため@Systemと書く必要はありません。
プロローグについては、会話や最初にいる味方の登録に使います。味方の登録の際は次の例文を参考に書くといいでしょう。

例文
Pilot アムロ 5
Unit ガンダム 1
Ride アムロ ガンダム
Pilot ブライト 7
Unit ホワイトベース 1
Ride ブライト ホワイトベース

この例文ではアムロが1段階改造されたガンダムに、ブライトが1段階改造されたホワイトベースに乗って登録されます。

7.スタートイベントを書く

戦闘に入るまでの準備がスタートイベントになります。まずは、味方を配置します。すでに味方が登録してある場合は、Launchコマンドで配置します。スタートイベントで直接味方を配置する場合はCreateコマンドを使います。次に敵を配置します。敵の配置にはCreateコマンドを使います。そして、それらをまとめた例文をまとめておきます。

スタート:
Telop テスト
Launch ブライト 16 4
Launch アムロ 14 6
Create 味方 コアファイター 1 リュウ 5 14 4
Create 味方 ガンキャノン 1 カイ 5 15 5
Create 味方 ガンタンク 1 ハヤト 5 16 6
Create 敵 ザク(シャア専用) 0 シャア 6 7 14
Create 敵 ザクU 0 デニム 5 5 10
Create 敵 ザクU 0 ジーン 5 9 12
Create 敵 ザクU 0 スレンダー 5 11 16
Create 敵 ザクU 0 ジオン兵 4 6 7
Create 敵 ザクU 0 ジオン兵 4 8 9
Create 敵 ザクU 0 ジオン兵 4 10 9
Create 敵 ザクU 0 ジオン兵 4 12 11
Create 敵 ザクU 0 ジオン兵 4 12 13
Create 敵 ザクU 0 ジオン兵 4 14 15
Exit

この場合は、あらかじめ登録してあったアムロとブライトに加え、カイ、リュウ、ハヤトが味方に追加され、敵としてシャア、デニム、ジーン、スレンダーとジオン兵6人が現れます。

8.増援などを出してみる

大抵のシナリオには増援などがあるものです。増援の条件は、ターンや敵の数、誰かがやられた時と様々です。例として、ターンによる条件と誰かがやられた時のものを書いておきます。


# ターンによる増援

ターン 3 敵:
Create 敵 旧ザク 0 ガデム 5 2 3
Create 敵 旧ザク 0 ジオン兵 4 4 1 
Create 敵 旧ザク 0 ジオン兵 4 4 5
Create 敵 旧ザク 0 ジオン兵 4 6 3
Changemode デニム 通常
Changemode ジーン 通常
Changemode スレンダー 通常
Exit

# 誰かがやられた場合の増援

破壊 シャア:
Create 敵 ドップ(ガルマ専用) 0 ガルマ 6 18 19
Create 敵 ドップ 0 ジオン兵 4 16 17
Create 敵 ドップ 0 ジオン兵 4 20 17
Create 敵 ドップ 0 ジオン兵 4 18 15
Exit
 

この例文の場合、3ターン目の敵フェイズとシャアを倒した時に増援があることになります。

9.シナリオをクリアする

シナリオをクリアする場合にはこのシナリオで完結の場合にはGameClearコマンドを、続く場合にはContinueコマンドを使います。例文を書いておきます。

全滅 敵:
GameClear
Exit

この場合は、敵を全滅させるとクリアになります。ここまで書けばシナリオ製作はひと段落です。

10.バグがないかチェックする

シナリオができても、バグがある場合があります。事前に自分でテストプレイしてバグを取ってしまいましょう。バグがある場合は修正しましょう。バグがなくなったらシナリオは完成です。

※補足 この作業は非常に重要な作業であり、実働テストとも呼ばれます。普通に動くデータやシナリオであるかどうかを事前にチェックすることは、最低限必要なことです。プレイヤーがいざDLしてプレイしても、バグだらけでまともにプレイできないのでは本末転倒です

11.Readme.txtを書く

シナリオに必ず添付されているReadme.txtを書きます。それぞれの開発パックサイトではReadme.txtにアイコンを使用したことを明記する義務があります。忘れないようにしましょう。作り方は、メモ帳を開いて以下のフォーマットを基本とした分を書いてReadmeという名前をつけて保存してシナリオに添付するだけです。
※名前がReadmeである必要はありません。始めにお読みください.txtや必読.txtなどの名前でも構いません。
テキスト文書以外にもhtml形式やhlp形式で書く方法もありますが、あまりお勧めできません。特に、hlp形式で書いた場合はゴミファイルであるReadme.gidができ、無意味に容量を食うという事態になるので嫌われます。


※例文

######################################################################
###    シナリオタイトル シナリオのタイトルを書く                  ###
###       作者    自分のHN                   ###
###      メアド    自分のメールアドレス                ###
###      URL    自分のHPアドレス                        ###
######################################################################

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/  はじめに  _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

 シナリオの紹介文とDLしてくれた人へのあいさつ

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/  内容物  _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

シナリオに添付しているもの。以下のものは共通で存在する
Bitmapフォルダ
Dataフォルダ
Readme.txt

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/  登場作品  _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

使用したロボット作品、等身大作品の名前を明記する

============  SPECIAL THANKS  ============

アイコンの作者の名前を明記する(必須)
ただし、自作したアイコンだけを添付する場合は
このシナリオに添付しているアイコンはすべて作者である私の自作です
と書くだけでよい

使用したグラフィックの作者様方です(順不同)
ファイル名の列記が必要な場合、ここに書く

Aさん
SRC_A.bmp
Bさん
SRC_B.bmp
SRC_C.bmp
SRC_D.bmp
Cさん
SRC_E.bmp
SRC_F.bmp

インクルード等を使用した場合はインクルード作者の名前もここに書く

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/  MIDI  _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

オリジナルMIDIを使用した場合は誰のMIDIを使用したか明記する

本作に添付したOriginal.midはDさんのMIDIを使用させて頂いております
無断転載は厳禁です
DさんのHP、D−MIDISTUDIOのURLはこちら
http://www.D-MIDI.survibenet.ne.jp

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/  その他  _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

その他明記しておきたいことを書く。開発パックのアイコンの
3次配布禁止や感想やバグの受付先を書いておくと便利

12.圧縮する

SRCシナリオは数多くのファイルで構成されていますので配布するには圧縮を行う必要があります。圧縮の際に注意することは…
A.3.で紹介した基本構造を崩さないようにする
B.圧縮ファイル形式は.lzhか.zip形式にする
C.ウイルスが混入していないか
これらに挙げたことを1つでも怠るとシナリオ規約違反となりますのでご注意ください。なお、圧縮ツールでお勧めなのは窓の杜やVector等で配布されている+Lhacaです。このツールは.lzh形式と.zip形式への圧縮・解凍に特化しています

13.公開する準備をする

せっかくシナリオを製作しても、公開しなければ誰にもプレイしてもらえません。ですが、公開するにはホームページが必要です。無料レンタルスペースなどもありますので、そこでホームページを作ってシナリオを公開するといいでしょう。お勧めはinfoseekが行っているISWEBです。HPスペースが50MBまで使えるので、複数のシナリオを公開することができます

14.公式ページに登録する

無事ホームページを手に入れたら公式ページのシナリオコーナーとSRC Linksに登録しましょう。その際、シナリオ登録規約に必ず従ってください。これで、シナリオが公開され多数のプレイヤーの目に触れるようになりました。あとは、数をこなしてシナリオをどんどん発展させてください。そして、ここで紹介した例文を集めたシナリオがこちらからDLできます。

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